コトバ探求

毎日使う日本語が、あなたと誰かを繋いでる。 ほんのちょっとだけ丁寧に、言葉を選んで話しましょ?

「こんつめる」ってあの「こん」ですよね?

みなさん、5月がやってきました。 4月にお仕事でこんをつめすぎた皆様、五月病の具合はいかがでしょうか。 かくいう私もすっかり……ちょっと待ってください。 「こんをつめる」って何を詰めてるんですか?? 根気の「こん」は感覚や能力の発生源 「詰める」の…

「胸に刺さる」「爪痕を残す」傷付ける表現が肯定的になっていく?

「感動する」という意味での「胸に(心に)刺さる」が新語として認められてからしばらく経ちました(2015年のことだそうです)。 ほんらいなら「胸を打つ」とか「胸に響く」といった表現が適切な場面なのですが、今では「刺さる」という表現も認められていま…

憶測と推測の違いを予測しよう

いいですか、みなさん。憶測でものを言ってはいけません。 ですから「これは憶測に過ぎないのですが……」という枕が使われます。 もちろん推測に基づいて意思決定をするのも危険です。 ですから「こちらは推測にはなりますが……」と断ります。 憶測と推測の違…

「目覚めが悪い」のか「寝覚めが悪い」のか

わたしは朝に弱いんですが、珍しくぱっちり起きられた朝に思いました。 「今日は目覚めがいいなー」 あれ? 言い直しました。 「今日は寝覚めがいいなー」 どっちが正しいんでしたっけ? 今日も今日とて結論から。 この文脈ならどちらも正解ですが、「目覚め…

「けんもほろろ」の意味を忘れて、わたしもうおろろ

車中で流れていた曲に突然出てきたんですよ、「けんもほろろ」。 結局どういう意味なのか全然思い出せなかったので、しっかりと由来を調べて、横のつながりを作って覚えようと思います。 そもそも「けんもほろろ」とは雉の鳴き声(と羽音とも)を元に作った…

根性があっても性根が腐ることはできるんですか?

あーごめんなさいごめんなさい、わたし、ひねくれてるんです。性根が腐ってるんです。 でも辛抱強いんですよ。辛いことでも人よりよっぽど長く続けられます。根性はあるんです。 性根が曲がってても根性はある。 そんなことあっていいんでしょうか? 今日は…

「バズる」と「ブーム」はどう違うの?

バズるという言葉が親しまれるようになって久しいですね。 バズるとは、あるコンテンツにSNS上の人気・注目が殺到する状態を指す新語です。 「流行」という言葉もそうですが、「メガヒット」「ブーム」「トレンド」など、これまでも流行を意味する多様な言葉…

挨拶ってあいさつでしか見ないけど、普段なにしてるの?

それでしか使わない漢字シリーズ代表、挨拶さんに話を聞きました。 「挨拶」って両方とも「あいさつ」でしか見ない漢字で構成されていますよね。 あまりに見慣れない漢字なので、普段どういうところでどういう意味の言葉として使われているのか気になります…

アップデートとアップグレードはどう違うの?

2010年あたりからの短い間に、すっかりスマートフォンは生活になくてはならないものに変わってしまいました。 それに伴って、いろいろな言葉が日本語の仲間入りをしました。 スマートフォン以前にはパソコンを使う人だけが目にしていたコンピューター上のあ…

甲斐があるって何があるの?

「来た甲斐があった」とはよく言います。 でも「甲斐」っていったいなんなのでしょう? 甲斐、甲斐国……武田信玄……? そう考えてみれば、「甲斐甲斐しい」「甲斐性」「不甲斐ない」なんて言葉もありますね。 えっ、不甲斐ない!? 「There is no Not甲斐」っ…

赤の他人なんて真っ赤な嘘、とんだ赤っ恥だ!

なぜ嘘は赤いんでしょうね。 真っ赤な嘘はあっても真っ青な嘘はありません。 特定の世代にとってはなんと「誓い」も赤いらしいですよ。 それは冗談として、日本語は何かと赤色にしがちです。 赤の他人、赤っ恥、赤い糸、赤子(赤ん坊) どうしてこうも赤いも…

なるだけ? なるたけ? 身のたけ、思いのたけ、首ったけ、ありったけ

「みなさん、なるだけ離れないようについてきてください」 久しぶりにきましたね、ストップです。 案内の人は進んでしまいますけど、わたしは気になったことを調べないと我慢できません。 わたしだったら、「なるだけ離れないように」とは言いません。 「な…

「進化」という言葉のゆるやかな進化のはなし

商品のキャッチコピーを作るのはたいへんな作業なんでしょうね。 他社の商品よりも飛び抜けて優れていることを伝えたいために、いろいろな表現が使われてきました。 新時代の〜、次世代の〜、進化した〜、未来の〜 一時期はなんでも「i」をつけてみたり、ま…

アジェンダと議題を使い分ければ、もっと高みにいけますか?

「はい、では始めますね。本日のアジェンダですが……」 ごめんなさい、ずっとなんとなく使ってました。もちろん「議題」という意味は知っています。 でもほとんどの言葉がそうですけど、本当に言葉の意味や成り立ちを知って「使い分け」していたわけではない…

のべつまくなしって、何がないの?

実はわたし、ひどいおしゃべりです。 話を聞いてくれる人を見つけるとしゃべり続けてしまいます。 それで話しすぎたなと思うと、よく自分で言うんです。 「こんな“のべつまくなし”に捲し立てるようにしゃべってしまって……」 ……じゃあ“のべつまく”があるって…

大迫半端ないって! の「って」って何?

お久しぶりです。ちゃんと生きてますよ。 それどころか、日本語のお仕事が本業になりまして、今は校正をしています。つくづく日本語に縁があるものですね。 さて、今日Yahoo!知恵袋をぶらぶらしていたら、日本語を勉強中の外国人の方からの質問で、次のよう…

形容詞の終止形に「です」をつけると不恰好?

お久しぶりです。 久しぶりに文章を校正する機会に恵まれまして、二つほど新たに勉強したことをまとめておこうと思います。 今日のテーマは「形容詞の終止形+『です』」という表現です。 「楽しいです」「美味しいです」「大きいです」…いろいろなところで…

ぞっとする?ぞっとしない?

ホラー映画の演出について話していたときのことです。 「海外ホラーって、なんていうか、ぞっとしないんだよね。」 そう自分で言ってから、思わず首をかしげました。 『ぞっとしない』って、何か別の意味がありませんでしたっけ? 今日は『ぞっとする』と『…

「すべからく」の誤用について

「生きとし生けるものは、すべからく睡眠をとるものですから。」 久しぶりに来ました。ストップです。 「すべからく」は今日日頻繁に誤用される副詞の一つです。 「すべからく」といえば、漢文で「須(すべからく〜べし)」という再読文字として学習した表現…

「濃い」「濃ゆい」「濃いい」

「このコーヒー、やっぱり味が濃いいな…。」 はい、ストップです。 「『濃ゆい』じゃありませんでしたっけ?」と尋ねると、 「え?『濃い』じゃないんですか?」と三人目。 「濃い」「濃ゆい」「濃いい」。 一体どれが正しいのでしょうか?

「煮詰まる」と「行き詰まる」

今日友人と話していたところ、彼が言いました。 「もう勉強も煮詰まってきちゃって、いやぁ、キツくなってきました。」 …ん?違いますよね? 思わず話を止めたところで、私は辞書を引きました。 というわけで、今日は「煮詰まる」と「行き詰まる」のお話です…

コトバ探求 はじめました

こんにちは。 ブログで記事を書いたり、シナリオを書いたり、小説を書いたりしながら、それを仕事にできないかと頑張っている「ハカセ」と言います。 …最近つけられた『あだ名』です。 ここがどういうブログか、説明しておきましょう。 最近たくさんの文章を…